― 判断につながる試作と実証 ―

試作やPoCは、完成品を作るためのものではありません。
製品概念や価値が、現実に成立するかを確かめるための実証です。

変化の激しい時代では、
一度決めた計画を守り切ることよりも、
途中で立ち止まり、修正し、進む方向を選び直せることが重要になります。

はじめに

このページでは、
優日堂Labで行っている試作・PoCの完成した成果物
具体的な実装手順は紹介していません。

代わりに、

  • 何を確認しようとしたのか
  • どこで迷い、どう判断したのか
  • なぜその形に落ち着いたのか

といった、開発途中の思考や判断の断片を記しています。

実装方法や詳細な技術内容については、
学習シリーズや個別の相談の中で扱っています。


試作・PoCで最初に決めること

試作やPoCを始める際、
最初に決めるべきなのは「何を作るか」ではありません。

何を判断したいのかです。

  • 技術的に可能かどうかを確かめたいのか
  • コストやサイズ感の見通しを得たいのか
  • 運用上の制約を洗い出したいのか

この目的が曖昧なまま進めると、
PoCは「それっぽく動くもの」を作って終わります。

動いた、という事実は残りますが、
次に進むべきか、止めるべきかの判断材料にはなりません。


小さく作る、という判断

優日堂Labでは、
最初から完成形を目指すことはほとんどありません。

確認したい一点に絞り、
それ以外は意図的に削ります。

  • 外装は仮
  • UIは最低限
  • 実装は一部だけ

「中途半端」に見える状態でも、
判断に必要な情報が取れるなら十分です。

完成度を上げることより、
次の意思決定につながるかを優先します。


技術的にできる ≠ やるべき

開発を進めていると、
「できてしまう」ことは少なくありません。

しかし、
技術的に可能であることと、
PoCとして意味があることは別です。

実際に、

  • 作ったが、判断材料にならなかった
  • 情報は取れたが、次の一手が決められなかった

という試作もありました。

その経験から、
「作れるか」よりも
**「それで何が分かるか」**を
常に問い直すようになりました。


仕様変更を前提にする

試作やPoCでは、
仕様変更は避けられません。

  • 前提条件が変わる
  • 想定外の制約が見つかる
  • 目的そのものが修正される

だからこそ、
最初から変更を前提に設計します。

  • 後から差し替えられる構成にする
  • 捨てやすい部分と残す部分を分ける
  • 再設計のコストを想定しておく

変更が起きても、
精神的にも物理的にも消耗しにくい形を目指します。


試作は「成果」ではなく「材料」

優日堂Labでは、
試作やPoCを成果物とは考えていません。

それはあくまで、

  • 判断するための材料
  • 話し合うための共通物
  • 次の一手を選ぶための道具

です。

成功・失敗という評価よりも、
どんな情報が手に入ったかを重視します。


技術を使い捨てにしない

試作で使った技術や設計、プログラムは、
可能な限り「資産」として残します。

  • 回路
  • 基板
  • プログラム
  • インターフェース設計

これらをブロックとして整理し、
必要に応じて再利用できる形にしておく。

毎回ゼロから作らないことで、
試作のスピードと判断の質が上がります。


見せていないものについて

このページでは、

  • 詳細な回路図
  • プログラムコード
  • 数値データ
  • 完成写真

といった具体的な中身は掲載していません。

それらは、
学習シリーズや個別相談の中で扱っています。

ここで伝えたいのは、
どう作ったかではなく、
どう考えて進めたかです。


相談につながるということ

試作やPoCの進め方は、
技術だけで決まるものではありません。

  • 目的
  • 予算
  • 期間
  • 組織の体制

それぞれの前提によって、
最適な進め方は変わります。

もし、

  • どこから手を付けるべきか迷っている
  • 作る前に、一度整理したい
  • 技術的な可能性と現実的な制約を見極めたい

そう感じている場合は、
「まだ依頼ではない」相談から始めてみてください。


▶ 相談する(まだ依頼ではありません)


最後に

ここに書いている内容は、
特別な理論ではありません。

実際の開発現場で起きていること、
多くの人が感じていることを、
整理して言葉にしたものです。

完成品を急ぐ前に、
一度立ち止まって考える。

このページが、
そのきっかけの一つになれば幸いです。