環境対策は地球規模で必要になっています。
日本は災害大国と言われていますが、皆さんも今までになかった体験や体感することが増えている、気候に関しては毎日のようにニュースでも見聞きするように地球環境の変化、気候変動を感じておられると思います。

これらの変化は、昨日今日に始まったことではなく、1750年以降の産業革命期からの人類の経済社会活動により、何百年以上も前からの少しずつの変化が累積され、地球環境の限界が目の前に迫ってきていて、自然現象の変化も世界各地で人類が体験できるほどになっています。その限界を予測する技術も発展してきたため、精度もあがっていて、地球規模で各国がいつまでに何を達成しなければならないのかも明確になってきています。
1988年、トロント会議で温暖化が国際的な重要課題として初めて議論されています。

環境と言っても、範囲が広く、深く、和製英語のカタカナやローマ字の略語、難解な専門用語や単語が多く、消化不良になりやすかったり、解釈を誤っている場合も多いかと思います。
まずは、ご自身の身の回り、住んでいる地域や地方、日本全体でどうしていくべきなのかを紐解いてみます。

環境基本計画

日本の環境問題を統括している国の機関は環境省が主体となり、各省庁と連携しています。

環境省

環境省のホームページの環境省のご案内には、以下のように書かれています。

今日の環境問題は、国民の日常生活や通常の事業活動から生ずる過大な環境負荷が原因となっており、その解決には、大量生産・大量消費・大量廃棄型の現代社会の在り方そのものを持続可能なものへと変革していかなければなりません。

こうした変革を具体化するため、環境省は、

(1)廃棄物対策、公害規制、自然環境保全、野生動植物保護などを自ら一元的に実施するとともに、
(2)地球温暖化、オゾン層保護、リサイクル、化学物質、海洋汚染防止、森林・緑地・河川・湖沼の保全、環境影響評価、放射性物質の監視測定などの対策を他の府省と共同して行い、
(3)環境基本計画などを通じ政府全体の環境政策を積極的にリードしています。
引用 環境省のご案内 | 環境省 (env.go.jp)

環境基本計画

環境基本法における位置づけ

環境基本計画は、環境基本法(リンク:e-Gov法令データ提供システム)第15条に基づき、政府全体の環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱を定めるものです。
引用 環境省_環境基本計画 | 環境基本計画とは (env.go.jp)

環境基本法の制定(平成5年11月19日施行)

環境基本法は、平成4年6月にブラジルで開催された地球サミットの成果を踏まえ、環境政策の枠組を再構築することに向け、平成4年7月以降具体的な法制のあり方について検討が進められました。法案提出後、平成5年6月の衆議院解散に伴い一旦廃案となりましたが、その後の臨時国会において両議院とも全会一致で可決され、11月12日に成立し、11月19日に公布・施行されました。

環境基本法の制定以前にも、国レベルにおける環境行政の総合化のための枠組として、環境庁(当時)が単独で定めた「環境保全長期計画」(昭和52年)及び「環境保全長期構想」(昭和61年)がありましたが、環境基本法の制定によりはじめて、政府全体の環境の保全に関する施策の基本的方向を示す計画が定められることとなりました。また、環境基本計画には、政府の取組の方向を示すのみならず、地方公共団体、事業者、国民のあらゆる主体の自主的、積極的取組を効果的に全体として促す役割も期待されています。
引用 環境省_環境基本計画 | 環境基本計画とは (env.go.jp)

環境基本計画の履歴

計画は6年ごとに見直されます。

第一次環境基本計画の策定(平成6年12月16日閣議決定)
第二次環境基本計画の策定(平成12年12月22日閣議決定)
第三次環境基本計画(平成18年4月7日閣議決定)
第四次環境基本計画(平成24年4月27日閣議決定)
第五次環境基本計画(平成30年4月17日閣議決定)
引用 環境省_環境基本計画 | 環境基本計画とは (env.go.jp)

現在は第六次環境基本計画に向けた検討会が行われています。
我が国は、炭素中立(カーボンニュートラル)、循環経済(サーキュラーエコノミー)、自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時達成と、環境・経済・社会の統合的向上の実現のため、2030年及び2050年という中長期目標の達成に向けて取組を進める必要があります。
 本検討会では、環境・社会・経済面における過去30年の振り返りと現状及び課題認識のもと、新型コロナウィルスの世界的まん延や地政学的リスク、またGXの進展等の新たな状況を踏まえ、「循環」と「共生」の概念整理や統合的アプローチの重要性、「新たな成長」のイメージやWell-beingと環境(自然資本)の関係、地域循環共生圏の実績と課題及び今後の方向性、国際情勢の変化と環境を通じた国際戦略等について検討を行いました。
引用 第六次環境基本計画に向けた検討会の取りまとめについて | 報道発表資料 | 環境省 (env.go.jp)

第五次環境基本計画の概要

第五次環境基本計画の概要
引用 ref01-1.pdf (env.go.jp)

概要の中の詳細資料を以下に掲載します。

我が国が抱える環境・経済・社会の課題
引用 我が国が抱える環境・経済・社会の課題
ref01-2.pdf (env.go.jp)

環境基本計画の中で、環境、経済、社会の課題複雑に関連していると書かれています。統合的な取り組みが必要になっていることが伺えます。

・環境の課題
○温室効果ガスの大幅排出削減
○資源の有効利用
○森林・里地里山の荒廃、野生鳥獣被害
○生物多様性の保全 など

・経済
○地域経済の疲弊
○新興国との国際競争
○AI、IoT等の技術革新への対応 など

・社会
○少子高齢化・人口減少
○働き方改革
○大規模災害への備え など

持続可能な社会に向けた国際的な潮流
引用 持続可能な社会に向けた国際的な潮流
ref01-2.pdf (env.go.jp)

現代は時代の転換期にあり、パラダイムシフトにより、新たな文明社会を目指していくことが必要とされています。

・持続可能な開発のための2030アジェンダ(2015年9月)
 複数の課題の統合的解決を目指すSDGsを含む。

・SDGsの(2015年9月)
 17のゴール

・パリ協定(2015年12月)
 2℃目標達成のため、21世紀後半には温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す。

第五次環境基本計画の基本的方向性
引用 第五次環境基本計画の基本的方向性
ref01-2.pdf (env.go.jp)

持続可能な循環共生型の社会(「環境・生命文明社会」)の実現が、目指すべき社会の姿と言われています。

・地域循環共生圏
○各地域がその特性を活かした強みを発揮
→地域資源を活かし、自立・分散型の社会を形成
→地域の特性に応じて補完し、支え合う

・農山漁村
自立分散型社会
地域資源(自然・物質・人材・資金)の循環
地産地消、再生エネルギー導入など

・都市
自立分散型社会
地域資源(自然・物質・人材・資金)の循環
地産地消、再生エネルギー導入など

・農山漁村から都市へ
自然資源・生態系サービス
 食料、水、木材
 自然エネルギー
 水質浄化、自然災害の防止 など

・都市から農山漁村へ
 エコツーリズムなど、自然保全活動への参加
 地域産品の消費
 社会経済的な仕組みを通じた支援
 地域ファンドなどへの投資 など

これらの計画のアプローチ

1.SDGsの考え方も活用し、環境・経済・社会の統合的向上を具体化。
○ 環境政策を契機に、あらゆる観点からイノベーションを創出
 →経済、地域、国際などに関する諸課題の同時解決を図る。
 →将来にわたって質の高い生活をもたらす「新たな成長」につなげていく。

2.地域資源を持続可能な形で最大限活用し、経済・社会活動をも向上。
○ 地方部の維持・発展にもフォーカス → 環境で地方を元気に!

3.より幅広い関係者と連携。
○ 幅広い関係者とのパートナーシップを充実・強化

第五次環境基本計画における施策の展開

重点戦略①:持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築

引用 重点戦略①:持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築
ref01-2.pdf (env.go.jp)

重点戦略②:国土のストックとしての価値の向上

引用 重点戦略②:国土のストックとしての価値の向上
ref01-2.pdf (env.go.jp)

重点戦略③:地域資源を活用した持続可能な地域づくり

引用 重点戦略③:地域資源を活用した持続可能な地域づくり
ref01-2.pdf (env.go.jp)

重点戦略④:健康で心豊かな暮らしの実現

引用 重点戦略④:健康で心豊かな暮らしの実現
ref01-2.pdf (env.go.jp)

重点戦略⑤:持続可能性を支える技術の開発・普及

引用 重点戦略⑤:持続可能性を支える技術の開発・普及
ref01-2.pdf (env.go.jp)

重点戦略⑥:国際貢献による我が国のリーダーシップの発揮と戦略的パートナーシップの構築

重点戦略⑥:国際貢献による我が国のリーダーシップの発揮と戦略的パートナーシップの構築
ref01-2.pdf (env.go.jp)